レアルマドリー対バルセロナ
サッカーファンなら誰もが注目する試合、それがエル・クラシコ。そんなエル・クラシコを今回は分析していきたいと思います。今回のクラシコはレアルのホーム、サンチャゴ・ベルナベウでの開催。レアルはポイント差があることに加えホームでバルセロナに負けるわけにはいきません。
そんなクラシコのスタメンがこちら!
ホームのレアルは予想されたイスコではなくコヴァチッチを起用してきました。これはメッシ対策かなぁと思ったり(笑)。後のメンバーはいつも通りのスタメンになりました。
一方のアウェイのバルセロナはサプライズらしいサプライズはなく唯一言えるとすれば怪我のウムティティに代わってヴェルマーレンを起用してきました。
レアルのバルセロナ対策
ビルドアップ編
レアルのバルセロナ対策をまずはビルドアップの面から見ていきたいと思います。レアルはバルサがGKからのビルドアップをする時のみオールコートマンツーマンで対応しました。
これはモウリーニョがシティに対して行った進化型マンツーマンとは異なりはっきりと対象の選手にマンツーマンしてきました。
ただしGKからのビルドアップが終わった後は基本はマンツーマンだけど状況に応じて柔軟にバルサに対応していくということを行いました。それの最たる例が次に挙げるものです。
メッシ編
バルセロナで一番の脅威を持っている選手は何と言ってもメッシです。そのメッシに対してはコヴァチッチがマークに付きました。ですがマンツーマンではなくメッシのいる位置に応じてその時だけマンツーマンをするという事を行いました。
メッシが最終ライン近くの時はマンツーマンを行わず逆にメッシが中盤もしくは前線にいる時(いつもではないが)はマンツーマンを行いました。そうすると中盤で数的不利になりますがメッシを止めることを最優先したのでしょう。
まとめるとコヴァチッチはこの試合メッシとGKからのビルドアップの時にはブスケツにマークに付くというダブルマンツーマンを行いました。自分的にはコヴァチッチのタスクがかなり重いなと感じました。
結果的にレアルの1失点目のシーンでコヴァチッチは隣にいたメッシに付こうか、ドリブルしてるラキティッチにプレスにいくかを迷ってしまいスアレスにゴールを許す原因の1つにもなってしまいました。(カルバハルが戻りきれてない所も原因の1つだが)。
バルセロナの守備
バルセロナは守備時はパウリーニョが右サイドに下がる4-4-2で守っていました。守備時はということは攻撃時は違うの?と思う人がいると思います。その通りで攻撃時は4-3-1-2でした。ただこの攻撃時に関しては後で説明します。
バルセロナの4-4-2はブロックを敷くときと前プレを行うときの2パターンありました。違いはFWの位置にいる選手が前からプレスをするかどうかでした。前プレをすれば後ろの選手も後ろから連動して前プレを仕掛けます。逆にFWの位置にいる選手が前プレをしなければブロックを敷いて守ります。
ただこの守備で起こった問題があります。それは攻撃時に4-3-1-2になるのでパウリーニョが内側に絞りボールを取ろうとして取れない時とバルセロナがボールを失った直後に第2ラインが3人になりパウリーニョが空けたスペースをレアルの左サイドの選手(マルセロ、クロース、Cロナウド)に積極的に使われるという問題です。これに気付いたSロベルトが中盤のスペースを埋めるのですが、そうすると最終ラインにスペースが空くという悪循環…。
これによりレアルはチャンスを多く作っていくようになりました。結局調子の悪いCロナウドを中心にチャンスを決めきれなかったので点数は入りませんでしたが…
バルセロナの攻撃
今度はバルセロナの4-3-1-2の攻撃を説明していきます。バルセロナの攻撃の中心はもちろんメッシですが攻撃のアクセントとしてパウリーニョが機能していました。パウリーニョは2列目からの飛び出し(主にSB裏への)をイニエスタやラキティッチが余りやらないので多く行いました。多かったのがSロベルトやメッシがマルセロを引き付け空いたスペースに飛び込むという形です。なので飛び込む素振りを見せたままFWの位置に留まることもありました。
総合的に見るとパウリーニョは攻撃時はバルセロナにとってのアクセントになり守備時は穴になっていました。
まとめ
この試合でレアルは特に前半多くのチャンスを作りました。なのでバルセロナ対策はうまくハマっていたと言えるでしょう。しかしCロナウドの調子がイマイチだったことと、1失点目にしろ2失点目につながるプレーにしろカルバハルが戻りきれずスアレスにスペースを使われていたのでレアルを総合的に評価すると作戦はうまくいったが選手のコンディションが上がっていなかったとまとめることができます。
一方のバルセロナは自分が以前見たときよりも固いなと感じました。4-4-2ブロックは昨年も行っていたのですがそれを担う選手がネイマールではなくパウリーニョになったのでIMFが多くなり固くなったのかなと思いました。全体的に今のバルセロナはスペイン的というよりかはイタリア的になったなと感じました。
話は変わりますがエル・クラシコの昼間開催は良くないなと思いました。アジア市場を考えてのことなんでしょうが選手達のテンション等を含めエル・クラシコらしくなく低いなと思いました。
なのでアジア市場も大事ですが試合の質を高めていってほしいなと願っています。