セイバーメトリクスを詳しく解説!野手の指標編

近年、野球界においてセイバーメトリクスという言葉の認知度が上がっている。ただし、これは専門的な言葉で表現されることが多く、ファンの中には詳しく知らない人もいると思う。そこで、今回は知っておいて損はない指標を紹介する。

なお、ここでは野手に関連する数値のみを説明する。

投手などに関連するものはこちらの記事を参照してほしい。

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AVGRBI・SB

左から順に打率・打点・盗塁を示す。

いずれにおいても、数値は高い方が望ましいと考えられている。 

OPS

<評価>パリーグ平均 0.723
            セリーグ平均 0.730

出塁率+長打率で計算し、総合的な打力を示す指標である。

打率よりもチーム得点数との相関関係が高く、野手の得点能力を示す指標として重宝されるようになった。

しかし、走塁能力が過小評価される傾向があることには注意して欲しい。

 PA/KPA/BB

PA/Kは1つの三振を喫するのにかかる打席数、PA/BBは1つの四球を選ぶのにかかる打席数を表している。

PA/Kは高い方が、PA/BBは低い方が望ましいと考えられている。

P/PA

<評価>パリーグ平均 3.98
            セリーグ平均 3.97

1打席で相手投手に投じさせた球数を表している。一般的に数値が高ければ待球型、低ければ積極的に打っていくタイプである。

BB/K

選球眼の良さを測る指標である。

よって、四球が多く三振が少なければ、数値が大きくなり、良い計測値が算出される。

ただし、四球も三振も多い選手と四球も三振も少ない選手の間で同じような数値が計測されてしまう欠点が存在する。

IsoP

<評価>パリーグ平均 0.144
            セリーグ平均0.140

長打率ー打率で導き出される、打者の純粋な長打力を測る指標である。単打でも数字が上がってしまう長打率の欠点を補うものとして使用される。

一般的には、0.200を超えると優秀とされている。

IsoD

出塁率ー打率で算出される、打者の純粋な選球眼を測る指標である。

一般的には、0.060から0.070で、0.100を超えると選球眼が一流の打者とされている。

O-Swing%

ボール球を振った割合を示す指標。

打者の選球眼を計測する上で重要となる指標のひとつとなっている。

NPBでは年平均が30%前後となることが多い。

Z-Swing%

ストライクの球を振った割合を示す指標。

O-Swing%と並んで選球眼を計測する上で重要な指標のひとつであると考えられている。

NPBでは年平均65%前後に落ち着くことが多い。

UZR

各ポジションの平均を比較してどれだけ失点を多く防いだかを表す指標。

フィールドをいくつものゾーンに区分けし、全打球の方向や種類、速度などを記録し、各打球の難易度を設定した上で各選手の実際の守備処理と照合することで計算される。

選手によってはシーズン毎のばらつきが大きく、実力を判断するためには3年ほどのサンプルが必要とされている。

WAR

<評価>2018年の柳田選手(WAR8.0)の場合

これは控え選手と比べて8勝分の貢献をしたことを示している

投手・野手を区別することなく、選手としての総合的な貢献度を測る指標である。

具体的に説明すると「控えレベルの選手と比較していかに多くチームの勝利に貢献できたか」を数値化したものである。

つまり、WARの計測にあたって「チームの得点増or失点減にどれほど貢献できたか」が基準となる。

WARというものを事細かに説明すると、難しくなってしまうため以下のポイントを参照してほしい。

1.控えレベルの選手と比較していかに勝利に貢献したか

2.投球・打撃・守備・走塁を総合的に評する

3.環境の影響を削除し、投手・野手を区別することなく、平等に評価できる

 ただし、WARもまた、他の指標と同じように完全無欠の指標ではないことには注意してほしい。